★昨日は、古代の窯で焼いた陶器の窯出しだった。
朝10時過ぎから3時ごろまで、時系列に記録として纏めてみる。
今年新しく造られた小さな窯の窯出しから始まった。
表の蓋された土を木立教授自ら削られている。
これは単に陶器を焼いているのではなくて、
日本でも最高レベルの旧い窯の研究グループ、立命館大学の木立先生を中心に考古学を学ぶ学生たちや、兵庫や大阪の考古博物館の先生方も参加して行われる年に一度の実験なのである。
この小さな窯は、今年初めての実験だったが、陶器は綺麗に焼きあがっていた。
木立先生と左のお二人は今年初めて参加した三木の陶芸グループのメンバーである。
★小さな窯の窯出しが終わって、いよいよ本番である。
三田にあったと言う1300年前の古代の窯を忠実に再現したこの窯で、毎年1回火入れが行われる。今年でもう9回目だとか。
昨年は温度を1000度以上で実験されたが、今年は1000度ぐらいの温度が保たれたようである。そんな条件の変化の中で陶器がどのように焼きあがるのかなど、いろいろ研究されているようである。
これは、陶器を取りだす前の窯の内部である。
こんな状態に窯のなかに陶器は置かれている。
奥の方は見えにくいが、ずっと奥の明かりが8メートル先の登り窯の一番先の穴である。
青いテントが敷かれて、取りだされた陶器は、8メートルの窯の中におかれたとおりに正確に並べられる。
このあたりの作品は、三木の陶芸グループのものである。
こんな作品が焼かれている。今年は陶器の焼かれ方としては『もうひとつ良くなかった』という評価のようだった。
この瓦は左の方は昨年焼いたものをもう一度焼いたもので、このような色に焼けると最高というお話だった。その手前は、作品としては如何にも幼いが、三木市立特別支援学校の生徒たちの作品なのである。
これが、陶器をすべて取りだした後の古代窯の内部である。周囲の壁は陶器のように堅く固まっている。来年はまた一部修復をして1年後同じ時期に火が入れられることになる。
すべてが完了して、現場でのミーテイングが行われていた。
このあたりの雰囲気を観るとこれは学術研究なのだと言う実感がよく出ている。
先月20日に火を入れてから、ずっと徹夜で火は炊き続けられたのである。
ご苦労様でした。
★この古代窯は、三木アネックスパークのモトクロス上のパドックの奥に設置されている。
さらにその奥にもコースがあって、昨日は初心者の講習会が行われていた。
もう秋も終わったが紅葉はまだ綺麗に葉を保っている。
このコースのオーナー山田さんが大学で考古学など学ばれて関心をお持ちのようである。
アネックスパークはNPO The Good Times の団体会員さんで、そんなご縁でこのプロジェクトに繋がっている。
後の写真は、NPOの関係の作品なのだが、次の写真の真ん中のヨコに線の入った陶器はNPOの理事さんで昔はMX全日本チャンピオンを3年連続でとった山本隆君、60おじさんの作品である。
彼は先日のここで行われたヴィンテージMXにも出場してトップを走ったそうである。
★最後の写真は、三木市立特別支援学校の生徒たちの作品で、昨年に続いての参加である。
緑が丘子ども会のアラケンさんもNPOの理事さんなのだが、アラケンさんがいろいろと手伝って搬出搬入など、それに学校の稲見校長先生が熱心にこのプロジェクトを支えてくださっている。
日本最高レベルの学術研究に子供たちも、三木の陶芸グループの人たちも、NPOのメンバーたちもそれぞれ参加出来て、それぞれ『楽しくいい時』を過ごせている。
『
異種、異質、異地域の人たちをみんな繋いで楽しくいい時を過ごそう』
そんな基本コンセプトにぴったりの『古代の窯』プロジェクトなのである。
アラケンさんの運転する軽トラに、子供たちの作品を積んで気持ちよく帰路についた。