いや、こんなこともあるのである。
素晴らしい決勝戦であった。
逆転満塁ホームランという一振りで決まった優勝であるが、その影に堅実な守備で最小の得点に抑えてきた佐賀の守りが優勝を呼び込んだと言っていい。
普通先発が2回でマウンドを降りて、そのあともこれまで無失点に抑えてきた久保が2点を取られて、1安打に抑えられてきた。
誰もが広陵の勝利、それも一方的な勝利を予想したのではなかろうか。
それが8回の1イニングで逆転したのである。
9回も、無死で走者を出しながら間一髪の守備で切り抜けた。
最後のバッターを空振りの三振にしとめて優勝した一瞬、何が起こったのかと動作も止まった久保君が印象的であった。
今年の夏は、昔の甲子園が戻ってきたような感触を受けた。
それを与えてくれたのは、佐賀北の選手たちである。
私自身は、野球以外のことで大騒ぎをするハンカチ王子など、そんなマスコミの煽動やそれに乗る世間が嫌だった。
斉藤君こそいい迷惑だったと思っている。
今年はそんなこともなく、公立校佐賀北が高校生らしい溌剌としたすがすがしい優勝を遂げた。
選手たちのインタビューのコメントも非常に好感が持てた。
途中から、樋渡さんのブログで、久保投手が佐賀県武雄市山内町の出身と知って、心底佐賀北を応援してきた。
2日続けて「ひょっとしたら、ひょっとする」と書いてきた。
とうとう「ひょっとした」のである。
佐賀北高校優勝おめでとう。
久保君の出身地、武雄市の皆さん優勝おめでとうございます。